東京2週目のメインは土曜に行われるダービートライアルの青葉賞(GII、芝2400メートル)。本番と同じ舞台で争われる一戦で、上位2頭に本番の優先出走権が与えられる。2006年のアドマイヤメイン、11年のウインバリアシオン、12年のフェノーメノはここを勝って本番でも2着に好走しており、夢の大舞台への切符をかけた戦いは必見だ。
昨秋の東スポ杯2歳S2着以来の実戦となるプロディガルサン(美浦・国枝栄厩舎、牡)が注目を集める。ドバイターフを勝ったリアルスティールの全弟で、新馬-芙蓉Sを連勝して臨んだ前走はスマートオーディンの2着。血統に恥じない素質を示した。弥生賞から皐月賞に向かうプランだったが、体調が整わずに目標を切り替え、ここからダービーを狙う。ひと息入ったぶんは割引材料だが、余力を残して本番に向かえるのも事実。追い切りの動きも迫力十分で、ここをあっさり通過するようなら皐月賞組にとって脅威となるだろう。
フジテレビ賞スプリングS2着のマイネルハニー(美浦・栗田博憲厩舎、牡)はクラシック登録がなかったことから皐月賞を回避。ここに備えてきた。マイペースに持ち込んだときの粘りはかなりのもの。すんなり逃げられるようなら、ここでも上位争いに持ち込めるはずだ。
京成杯、共同通信杯とも3着に敗れて賞金の上積みができなかったメートルダール(美浦・戸田博文厩舎、牡)も、皐月賞路線を回避してここに照準を定めてきた。特に共同通信杯は、のちの皐月賞馬ディーマジェスティから0秒3差の3着で、評価が高まっている。末脚の破壊力は世代でも上位のものがあり、03年にこのレースを制した父ゼンノロブロイに続く父子制覇を目指す。
2月にこの東京芝2400メートルの平場戦を制したのがレーヴァテイン(美浦・堀宣行厩舎、牡)。2位入線からの繰り上がりとなったが、レーヴディソールやレーヴミストラルといった活躍馬の弟で、募集価格1億2000万円の期待に応える2連勝となった。まだ肉体的に完成していない部分もあり、前走後はここ一本に絞っての調整。潜在能力の高さは折り紙付きで、無敗のままここを勝つようなら本番でも大いに注目されることになるだろう。
そのレーヴァテインの走行を妨害したことで降着となったのがヴァンキッシュラン(栗東・角居勝彦厩舎、牡)だった。仕切り直しのアザレア賞を制してオープン入りを果たし、再びこの舞台に挑む。前走で2着に負かしたジュンヴァルカンが先週のあずさ賞を完勝しており、改めてその地力が裏付けられた形だ。しぶといタイプだけに、新コンビ内田博幸騎手とも手が合うだろう。
このほか、新馬-水仙賞を制して無傷の2連勝を飾っているアルカサル(美浦・大竹正博厩舎、牡)、出世レースの大寒桜賞を快勝したレッドエルディスト(栗東・笹田和秀厩舎、牡)、すみれS3着のロスカボス(栗東・高野友和厩舎、牡)なども素質は高い。
どの馬も、現時点での完成度と素質の高さがかみ合うかどうかが大きなポイント。一生に一度の舞台に駒を進められる2頭は果たして-。
ダービーを目指して好メンバーが集結/青葉賞の見どころ
本番と同じ舞台で行われるダービートライアル・青葉賞。今年はデビューから2連勝のアルカサル・レーヴァテインや、ここで復帰の良血馬プロディガルサンなど、好メンバーが揃った。日本ダービーに名乗りを上げるのはどの馬か。出走を予定している主な有力馬は次の通り。
■4/30(土) 青葉賞(3歳・GII・東京芝2400m)
プロディガルサン(牡3、美浦・国枝栄厩舎)はドバイターフを勝ったリアルスティールの全弟という良血馬。今年の初戦に予定していた弥生賞を骨膜炎のため回避したあと、ここを目標に調整してきた。新馬戦、芙蓉Sと連勝し、続く東京スポーツ杯2歳Sでも2着と2歳時から素質の片鱗を見せており、ここも上位争いが期待される。
アルカサル(牡3、美浦・大竹正博厩舎)は新馬戦、水仙賞と無傷の2連勝。長くいい脚を使えるのが魅力で、初の東京コース、相手強化のここもあっさりクリアできるようなら本番の日本ダービーでも楽しみ。
レーヴァテイン(牡3、美浦・堀宣行厩舎)は前走の500万下でクビ差の2位入線となったが、先着馬ヴァンキッシュランの斜行により、繰り上がって2連勝を飾った。半兄アプレザンレーヴ、レーヴミストラルがこのレースを勝っており、本馬自身もダービー向き。兄達に続くことができるか。
その他、京成杯・共同通信杯で3着に入っているメートルダール(牡3、美浦・戸田博文厩舎)、降着後のアザレア賞をキッチリと勝ったヴァンキッシュラン(牡3、栗東・角居勝彦厩舎)、スプリングSで2着に入ったマイネルハニー(牡3、美浦・栗田博憲厩舎)、すみれSで復調気配を見せたロスカボス(牡3、栗東・高野友和厩舎)などもダービー出走権を狙う。発走は15時45分。