◆第21回NHKマイルC・G1(8日・芝1600メートル、東京競馬場、良)
3歳マイル王決定戦の第21回NHKマイルCは8日、東京競馬場で行われ、昨年の2歳女王で1番人気に推されたメジャーエンブレム(ルメール騎乗)が逃げ切り、阪神JFに続くG1レース2勝目を飾った。2着に外を追い込んだ2番人気のロードクエストが続き、3着には12番人気のレインボーラインが入った。
【写真】逃げ切って優勝したメジャーエンブレム
牡馬相手でも自分のスタイルを貫いた。長い直線を先頭で進むメジャーエンブレムを、ファンの大歓声が後押しする。最後は外から追い込むロードクエストを3/4馬身しのいでゴールイン。「いいスタートからリラックスして走れた。彼女は先頭が大好き。この馬のペースで完璧なレース。リベンジできて良かった」。07年ピンクカメオ以来9年ぶりの牝馬Vに、ルメールは愛馬の上で力強くガッツポーズをつくった。
負けられない一戦だった。断然人気に支持された桜花賞は、発馬がひと息で逃げることができず、まさかの4着。「皆さんに迷惑をかけたのに、また1番人気に支持していただいた。“チーム”として勝てて、ホッとしています」。重圧から解放された田村調教師は目をうっすらと赤くしながら、優しい笑顔で人馬を迎えた。
厩舎、ルメール、放牧先のノーザンファーム天栄が一体となって、阪神JFに続くG1レース2勝目をつかんだ。前走から中3週の一戦へ、デビュー以来最短となる出走11日前に美浦に帰厩。牧場と厩舎で密に連絡を取り合い、前走比6キロ減の496キロで大一番を迎えた。「牧場で3本、美浦で2本追って、短い中でもしっかり負荷をかけた。これ以上そぎ落とすものはない、究極の仕上げだった」と指揮官。2R終了後には、前走の反省を踏まえルメールと入念にプランを確認。「とにかく出して行く、出負けしても主張していく」という両者の強い思いは、もうブレなかった。
今後は未定だが、「秋華賞路線も当然、選択肢のひとつ。もっと上を目指せる馬だと信じている」と田村師が言えば、デビューからコンビを組むルメールも「今の走りを続けていけば、まだまだ勝てる。彼女とまたG1を勝ちたいです」と力を込めた。苦しんだ末に自分の競馬を取り戻した女王が、秋もVロードを突き進む。(川上 大志)
◆メジャーエンブレム 父ダイワメジャー、母キャッチータイトル(父オペラハウス)。美浦・田村康仁厩舎所属の牝3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算成績7戦5勝。総収得賞金は2億4310万7000円。主な勝ち鞍は阪神JF(15年)、クイーンC(16年)。馬主は(有)サンデーレーシング。
ヴィクトリアマイルはここの予想を期待します
競馬予想コンシェルジュの予想が熱い

【NHKマイルC回顧|やっぱり強かったルメール|ネット評価まとめ】の続きを読む