<札幌記念:追い切り>
美浦を代表するトレーナー藤沢和雄師(64)と関東を代表する蛯名正義騎手(47)がタッグを組むのはさて何度目? 札幌記念(G2、芝2000メートル、21日)へ向けた木曜追いが18日、札幌競馬場で行われた。藤沢和師が送り出すスーパームーン(牡7)に騎乗する蛯名騎手。デビューと開業がわずか1年違いで同じ北海道出身の2人が、札幌の大一番を盛り上げる。
【写真】野中ドリームドルチェで初メイン奪取だ/NST賞
台風一過の札幌芝コースで、7歳スーパームーンが躍動した。芝コースで5ハロン70秒9-12秒9の時計。青鹿毛の馬体を黒光りさせ、持ったままの手応えで併せたレッドルーファス(古馬1600万)に2馬身先着した。
「おう、順調か、マサヨシッ」。腕を組み、柔和な表情を浮かべた藤沢和師が問い掛けると、「ハイッ」と馬上から明るい声が飛んだ。苫小牧市出身の1300勝トレーナーと札幌市出身の2400勝ジョッキー(ともにJRA通算)。海外でも実績を残す2人だが、同じ美浦所属28年でコンビは意外に少ない。
実は、結び付きは深い。蛯名騎手が藤沢和厩舎の馬に初めて乗ったのは89年の青葉賞。12番人気ロンドンボーイで2着に入り、ダービー優先出走権を獲得する好騎乗だった。「人気はなかったけど、すごくいい馬だったんだ。覚えているよ。すごくいい馬。あの頃は自分も先生も駆け出しだったからね」。藤沢和厩舎は同馬でダービー初出走。96年テン乗りで制した天皇賞・秋バブルガムフェローは蛯名騎手のG1初制覇と、少ないコンビの中で記憶に残る勝負を演じてきた。
騎乗数が少ないことに、藤沢和師は「下手くそだから乗せないだけだよ」と決まり文句のようにジョークを飛ばすが、それは気心の知れた相手だからこそ。「うちの厩舎に主戦騎手がいて乗る機会が少なかっただけ。バブルもそうだし、結果は出しているだろ。札幌記念はトップジョッキーでいきたい。あいつ(蛯名)とは相性がいいはずだ」。
スーパームーンが出走する札幌記念が57度目のコンビ。同じ日曜の5R新馬戦でデビューするアルトリウス(牡)でもコンビを組む。父キングカメハメハ、母は08年桜花賞馬レジネッタという良血馬には「動きがいいぞ」(藤沢和師)、「素質がある」(蛯名騎手)と声をそろえる。2回札幌開幕週の日曜、地元出身の2人が道産子ファンを熱くする。【木南友輔】
TM追い切り診断 2016札幌記念 札幌
主な馬の調教タイム
スーパームーン
8/18 札幌芝
70.9ー56.1ー40.8-12.9
ダービーフィズ
8/17 札幌芝
63.3-49.9ー35.9ー12.2
ヌーヴォレコルト
8/17 札幌芝
68.0-52.8-37.9-11.9
モーリス
8/17 函館芝
62.4-48.0ー34.5-11.6
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