今年の東京開催は最終週を迎え、29日にジャパンC(GI、芝2400メートル)が行われる。
今年の中心を務めるのは宝塚記念、天皇賞・秋を含む重賞6勝のラブリーデイ(栗東・池江泰寿厩舎、牡5歳)だ。スローペースでも、ハイペースでも柔軟に対応できるレースセンスの良さが長所。さすがに今年8戦を消化しているだけに、大きな上積みを望みにくいが、陣営は早くから秋4戦(この後は有馬記念)を見据えて調整してきた。中間も好気配をキープしており、GI3勝目のチャンスは十分だ。ここを勝てば、年度代表馬にも大きく前進するだろう。
しかし、最大のライバルは同じ厩舎にいる。オークス、秋華賞の牝馬2冠を制したミッキークイーン(牝3歳)だ。ジャパンC史上、3歳牝馬の勝利は2012年のジェンティルドンナのみだが、13年にもGI未勝利のデニムアンドルビーがハナ差2着、09年にはレッドディザイアが3着に入るなど、53キロの斤量を生かしての好走が目を引く。史上初の同一厩舎によるワンツー・フィッシュが見られるかもしれない。
評価が難しいのがゴールドシップ(栗東・須貝尚介厩舎、牡6歳)だ。今年は天皇賞・春を常識破りのロングスパートで勝ったが、断然の1番人気だった宝塚記念は大きく出遅れて15着と惨敗。ゲート再審査明けでの出走で、JC後は有馬記念を目指し、今シズーン限りでの引退が発表されている。GI6勝は外国馬も含めて最多だが、東京コースは共同通信杯勝ちがあるだけで、ダービー5着、一昨年のJCで15着と振るわない。走る方に気が向けばあっさりのシーンがあっても驚けない実力の持ち主だが、過信は禁物か。
昨年の菊花賞2着馬サウンズオブアース(栗東・藤岡健一厩舎、牡4歳)は順調さを欠いていたが、5カ月ぶりの出走だった前走の京都大賞典でラブリーデイの2着に入り、ようやく復調の兆しが見えてきた。今回の調整過程は順調で、叩いた上積みも見込める。伸びしろを感じさせるキャリアだけに、上位争いをしても不思議はない。
産経賞オールカマーで牡馬を破った昨年の秋華賞馬ショウナンパンドラ(栗東・高野友和厩舎、牝4歳)も、宝塚記念3着、天皇賞・秋4着とGIでも差のない競馬を続けている。デビュー以来初の2400メートル戦がどう出るかだが、本格化ムードが漂う今なら、まとめて差し切るシーンもあるだろう。
今年前半に日経新春杯と日経賞の両GIIを勝っているアドマイヤデウス(栗東・橋田満厩舎、牡4歳)は、骨折明けの天皇賞・秋で最後方から目を引く脚を使った。距離延長は大きなプラスで、上積みも見込めるだけに一変のシーンも考えておきたい。
目黒記念を勝ち、札幌記念でも2着と好走したヒットザターゲット(栗東・加藤敬二厩舎、牡7歳)、キタサンブラックの兄で今年メキメキと力を付けてきたショウナンバッハ(美浦・上原博之厩舎、牡4歳)といった馬たちも侮れない。
外国馬は、今年は4頭が出走する。数は少ないが、昨年までと違って近走の成績がいい馬ばかり。いずれも今年、自国でGIを制しており、侮れない。そのなかでトップに評価できるのはフランスのイラプト(フランセス・グラファール厩舎、牡3歳)だろう。デビュー3連勝で挑んだパリ大賞典でGI初制覇。その後、ニエル賞で4着に敗れたが、続く凱旋門賞はトレヴ(4着)に次ぐ5着と健闘した。世界的に活躍しているドバウィ産駒でもあり、日本馬にとっては大きな脅威となる。
ドイツの3歳牝馬ナイトフラワー(ペーター・シールゲン厩舎)はオイロパ賞でGI初制覇。2勝馬ながら、8戦7連対と安定している。日本の馬場を知るアンドレアシュ・シュタルケ騎手の騎乗も心強い。父はジャパンC出走のため来日しながら、馬ウイルス性動脈炎の陰性が確認できず、検疫をパスできなかったディラントーマス。父の因縁を断ち切り、外国の3歳牝馬としては初のJC勝利を狙う。
ドイツからはもう1頭、イトウ(ジャン・ピエール・カルヴァロ厩舎、牡4歳)が出走する。こちらは昨年6着のアイヴァンホウと同じ厩舎、同じフィリップ・ミナリク騎手のコンビだけに、経験を生かす構えだ。脚質は逃げ。今年は同型が見当たらないだけに、この馬がレースを引っ張ることになりそうだ。前走のバイエルン大賞典は4馬身差の圧勝。日本の初代総理大臣・伊藤博文にちなんだという馬名からも注目される。
残る1頭、イギリスのトリップトゥパリス(エドワード・ダンロップ厩舎、セン4歳)は、6月に4000メートルの英GIアスコットゴールドCを制した。この秋は豪州に遠征し、コーフィールドC2着、メルボルンC4着と好走したが、典型的なステイヤータイプ。軽い馬場の2400メートルでは厳しそうだ。豪州の2戦で手綱を取ったトミー・ベリー騎手が引き続き騎乗する。
ジャパンカップ-2014年動画
2014年-JC結果
1着 エピファネイア スミヨン
2着 ジャスタウェイ 福永祐一
3着 スピルバーグ 北村宏司
こんなのもあったので
競馬ブック-想定から
1番人気 ラブリーデイ
2番人気 ミッキークイーン
3番人気 サウンドオブアース
4番人気 ショウナンパンドラ
5番人気 ゴールドシップ
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