弥生賞予想|2016年直前情報まとめ
エアスピネル
今週3月6日(日)は、中山競馬場でGII弥生賞(芝2000m)が行なわれる。このレースは4月20日(日)に行なわれる3歳牡馬クラシックレース第1弾・GI皐月賞(芝2000m)のトライアルで、3着以内に入ると本番への出走権が与えられる重要なレースだ。
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GI皐月賞のトライアルレースはGIIスプリングステークス(3月20日/中山・芝1800m)、OP若葉ステークス(3月19日/阪神・芝2000m)と複数あるが、このGII弥生賞は本番とコース、距離が同じで、レース間隔も十分に取れることから、2010年のヴィクトワールピサ、2001年アグネスタキオンが皐月賞馬となっているし、2005年のディープインパクト、古くは1984年シンボリルドルフ、1983年ミスターシービーなど、三冠馬となった名馬たちもステップレースに選択している。
今年も豪華メンバーが揃った。筆頭は昨年の最優秀2歳牡馬リオンディーズ(牡3、栗東・角居勝彦厩舎、父キングカメハメハ)で、GI朝日杯フューチュリティステークス(2015年12月20日/阪神・芝1600m)を制して以来、約2カ月半ぶりの実戦となる。1戦1勝の身で臨んだ同レースは、4コーナー15番手(後ろから2頭目)という後方待機から直線一気の差し切りで完勝。大物感溢れる勝ちっぷりは、“歴史的名馬クラス”の声も多く聞かれるほどだった。その後、無傷の3連勝でGIIIきさらぎ賞を勝ったサトノダイヤモンドの台頭もあり、1強ムードはやや薄れたが、サトノダイヤモンド不在の今回のメンバーなら、断然の人気を集めそうだ。
しかし、強いだけでは勝てないのが競馬。コーナーを2度回り、直線は473.6mと長い阪神芝外1600mに対し、今回の中山芝2000mはコーナーを4度回り、直線は310mと短い。前回と同じような後方待機だと、差し切れない可能性も十分だ。新馬戦では好位6番手あたりからの競馬で勝利しているが、同レースでは道中行きたがって折り合いを欠いており、距離自体の不安も捨てきれないところ。半兄エピファネイア(父シンボリクリスエス)もこのレース4着、GI皐月賞2着と、血統的にこのコースとの相性が良いとは言えない。
対抗馬として有力なエアスピネル(牡3、栗東・笹田和秀厩舎、父キングカメハメハ)も、GI朝日杯フューチュリティステークスで1番人気に推されながらリオンディーズの3/4差2着に敗れて以来の実戦。前走の内容から「もうリオンディーズには勝てないのでは?」という声も聞こえるが、競馬はよほどの実力差がない限り、コース適性や道中の有利不利、展開次第で逆転は可能。エアスピネルも、リオンディーズに先着する可能性は十分あると見ている。