共同通信杯傾向と対策冬の東京開催も3週目。そのメインとして行なわれるのが、3歳クラシックの登竜門とされるGIII共同通信杯(2月12日/東京・芝1800m)である。
【写真】この馬も共同通信杯をステップにして、皐月賞を制した
過去5年の勝ち馬のうち、ゴールドシップ、イスラボニータ、ディーマジェスティの3頭が牡馬クラシック第1弾の皐月賞(中山・芝2000m)を勝利。それぞれ、第2弾となる日本ダービー(東京・芝2400m)でも奮闘した(ゴールドシップ=5着、イスラボニータ=2着、ディーマジェスティ=3着)。ゴールドシップは秋の菊花賞(京都・芝3000m)も制している。
栄冠は手にできなかったものの、一昨年の勝ち馬リアルスティールも皐月賞で2着、ダービーで4着、菊花賞で2着と、クラシックを沸かせた。その翌年、ドバイターフ(UAE・芝1800m)でGI勝利を果たしている。
さらに2着馬を見ても、ディープブリランテとドゥラメンテがクラシックを制覇。ディープブリランテは皐月賞3着後、ダービーで戴冠を果たした。ドゥラメンテにいたっては、皐月賞とダービーの二冠を達成している。
まさしく近年、共同通信杯で好走した馬から、クラシックで活躍する馬が相次いで登場しているのだ。
そもそも、冬場の、それもGIIIでありながら、いいメンバーがそろうことが多い。過去には、アドマイヤムーン、ジャングルポケット、エルコンドルパサー、メジロブライトといった名馬も勝ち馬に名を連ねている。ものの数週間もすれば、GII弥生賞(中山・芝2000m)やGIIスプリングS(中山・芝1800m)といった、レースの格も上で、皐月賞本番と同じか、近い条件のレースがあるにもかかわらず、だ。
その理由としては、ひとつに東京競馬場という舞台設定がある。
3歳馬の最大目標と言えば、やはり日本ダービーである。皐月賞のみに全力投球するならいざ知らず、ダービーを狙える器であるなら、やはりその舞台となる東京競馬場のレースは前もって経験しておきたいところ。それが、本番でプラスになることは明らかだからだ。
そういう意味では、「特に関西馬にとってはメリットが大きいレース」と、デイリー馬三郎の木村拓人記者は語る。
「新馬や未勝利、条件戦でも容易に使える関東馬はともかく、長距離輸送をともなう関西馬にとって、東京競馬場が舞台で、しかもこのクラスのレースを経験できる数少ないチャンスとなるのが、共同通信杯。もし、ここで一発回答を出せれば、いよいよダービーも現実味を帯びてくるわけですし、素質馬の多い関西馬にとっては、試金石として最適なレースであると思います」
過去10年の結果から傾向を探る。
☆人気 1番人気は【3・2・1・4】でまずまず。2、3番人気が4連対ずつと波乱の可能性は低い。
☆前走 勝ち馬10頭中、昨年ディーマジェスティ(取り消し)を除く9頭が前走3着以内。ステップはさまざまだが、芝2000メートル以上の重賞、オープンで5着以内だった馬が9連対(4勝、2着5回)と活躍。
☆間隔 連対馬20頭中17頭が2カ月半以内での出走があった。休養明けは割り引きたい。
結論 ◎エアウィンザー ○ムーヴザワールド ▲アサギリジョー
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エトルディーニュが押し出されてハナへ。今後も考えて控えたい馬が多く、ペースは上がらない。スワーヴリチャード、ムーヴザワールドは互いにけん制しながら中団待機から進出。直線はエアウィンザーも加わって瞬発力勝負。
もう有名になりつつある
栗東会議
クイーンCは注目馬見事勝利
デイリー杯クイーンカップ(GIII)
アドマイヤミヤビ 前走:百日草特別1着
百日草特別を勝った牝馬は過去10年でルージュバックのみ。さらに2着のカデナが京都2歳Sを制し、3着のアウトライアーズが500万特別のひいらぎ賞を勝ち上がっている事からもアドマイヤミヤビの素質は相当なもの。一部では早くも「オークスの有力候補」と評価されている逸材で、前走にしても既に本番を意識して経験を積ませるための東京遠征だったとの話。今年の3歳世代牝馬のお手馬が多数被っているルメールも、近藤オーナー地元開催の阪神JFをソウルスターリングとの使い分けのために引っ込ませた以上は、最低でもこの馬の重賞勝利をプレゼントしオーナーを納得させる事が至上命題である。
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