ダイヤモンドS回顧|結果・動画|ネットニュースまとめ

 長距離重賞「第65回ダイヤモンドS」が21日、東京競馬場で行われた。道中11番手で折り合った1番人気フェイムゲームが力強く伸びて、重賞4勝目。スルーオダイナ(89、90年)、ユウセンショウ(96、97年)以来となる、3頭目の同レース連覇を飾った。

 58キロのトップハンデも何のその。スタミナが違った。道中は慌てず脚を温存。馬群を縫う余裕があった。残り1Fでファタモルガーナを内から抜き去り、2馬身差の完勝。「前向きに走ってくれた。直線もいい感じで反応してくれた」と北村宏。宗像師も「スタミナがありますね。直線の長い東京も合う」と振り返った。

 有馬記念除外で挑んだ前走・AJC杯(12着)はスローが全て。東京では重賞3勝目。もう、賞金不足で除外になることもない。今後は天皇賞・春(5月3日、京都)を目指す。鞍上は「昨年(6着)のリベンジを」と誓えば、師も「強い馬にモマれ、力もついた」と頂点を見据えた。

 ◆フェイムゲーム 父ハーツクライ 母ホールオブフェーム(母の父アレミロード)牡5歳 美浦・宗像厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績15戦5勝 総獲得賞金2億325万円。

 
フェイムゲーム連覇!最速34秒6
 

◆第65回ダイヤモンドS・G3(2月21日、東京・芝3400メートル、馬場=良)

 1番人気のフェイムゲーム(北村宏)がゴール前で差し切り、重賞4勝目で昨年に続く連覇を飾った。2着はファタモルガーナ、3着はカムフィー。

 力が違った。適性が違った。トップハンデをものともせず、フェイムゲームが鮮やかに連覇を決めた。道中は中団後方。4角10番手でパスした勝負どころからの脚取りは、1頭だけ違った。「スタミナは十分だし、直線はいい反応をしてくれた」と北村宏が振り返ったように、ラスト3ハロン最速34秒6をマークして豪快に突き抜けた。

 これで重賞4勝目。「今日は58キロだったこともあって、さすがに追い出しの反応は鈍かったですが、そこから徐々に伸びてきた。だんだんと力をつけてきているように思います」。半兄の重賞7勝馬バランスオブゲームも管理した宗像調教師は、愛馬の確かな成長を感じていた。

 すでにドバイ・ゴールドC(3月28日、メイダン競馬場、芝3200メートル)から招待を受けているが、「はっきりとは分かりませんが、今回のドバイはないと思います」と宗像師は説明。昨年6着だった天皇賞・春(5月3日、京都)へ直行するプランが有力だ。「ずいぶん気持ちも前に向いてきたし、この感じでいってくれれば。1年経ってリベンジをしたい」。鞍上がG1を意識できるほど、ステイヤーとして完成の域に近づきつつある。(西山 智昭)

 ◆フェイムゲーム 牡5歳の青鹿毛。父ハーツクライ、母ホールオブフェーム(父アレミロード)。戦績15戦5勝。総収得賞金2億325万円。主な勝ち鞍 13年京成杯、14年ダイヤモンドS、アルゼンチン共和国杯。生産者・北海道安平町のノーザンファーム。馬主・(有)サンデーレーシング。美浦・宗像義忠厩舎所属。

 ◇ダイヤモンドSめも

 ◆連覇 昨年に続く勝利のフェイムゲームは、スルーオダイナ(1989、90年)、ユウセンショウ(96、97年)以来3頭目の連覇。

 ◆ハーツクライ産駒 13年アドマイヤラクティ、14年フェイムゲームに次ぎ3年連続勝利。産駒のJRA重賞勝利は本年初(通算24勝目)。

 ◆北村宏司騎手 09年モンテクリスエス、14年フェイムゲームに続きこのレース3勝は現役最多。12年連続JRA重賞制覇(04~15年)。

 ◆馬名の意味 「殿堂入りが決まった選手セレモニーで開催されるNFLの試合。母からの連想」

 
ファタモルガーナは悔し2着
 

 「ダイヤモンドS・G3」(21日、東京)

 2番人気のファタモルガーナは勝ち馬の決め脚に屈したが、直線でいったん先頭に立つなど見せ場は十分。前走のステイヤーズSに続く2着で、マラソンレースへの適性の高さを印象付けた。

 戸崎圭は「うまく早めに抜け出したけど…」と悔しそうに振り返る。積極的な立ち回りでの好走に「スタミナが豊富なタイプで、今後が楽しみ」と前を見据えた。

 
ダイヤモンドS-2015年動画
 
1着 フェイムゲーム 北村宏司
2着 ファタモルガーナ 戸崎圭太
3着 カムフィー 柴田善臣