阪急杯回顧|デムーロはここまで乗れるとは?|ネット評価まとめ
【阪急杯】GIII阪急杯(1日=阪神芝内1400メートル)は同日付でJRA所属となったミルコ・デムーロ騎乗の2番人気ダイワマッジョーレ(牡6・矢作厩舎)が優勝。13年の京王杯スプリングC以来となる久々の重賞勝利は同馬の完全復調を示すものなのか。JRA所属の外国人騎手としてこれから通年で日本競馬に参戦する名手の今後の可能性など、検量室での取材から探ってみた。
雨の降りしきる不良馬場、スタートから各馬が位置取りにこだわりを見せる。出負け気味のダイワマッジョーレは後方から。道悪でも好成績を挙げている昨年の覇者コパノリチャードが自信満々に早め抜け出しを図ると、ミッキーアイルがその外から追撃。さらに内から脚を伸ばしたローブティサージュがしぶとく伸びて赤い帽子同士の叩き合いに…とその時に外から一気に強襲したのがダイワマッジョーレ。
ゴール寸前で2頭をのみ込むと、僅差で勝利をものにした。
「先週のラングレー(小倉大賞典7着)に続いて、なんでまた雨なんだと思っていたけど、まだツキは残っていたね」と喜色満面の矢作調教師。「復調していることには自信を持っていただけに、昨年末の阪神カップ3着は悔しかった。この馬場で勝てたんだからもう本物と言っていいでしょう。よく戻ってきてくれた」と高らかに復活を宣言した。
今後は優先出走権を獲得した3・29高松宮記念への出走を視野に入れつつ、安田記念を目標としたローテーションを歩む予定。今後のマイル~短距離戦線では目の離せない存在となった。
「ミルコはうちの厩舎に初めてGIタイトル(10年朝日杯FS=グランプリボス)を取らせてくれたジョッキー。JRA所属となった記念の日に重賞勝ちをプレゼントできたこともうれしいね。今日の勝利はミルコマジックと言ってもいい。スタートが悪い中、あの位置からきっちり馬を動かしてくるんだからやっぱりすごいよ」と昨年のリーディングトレーナーは名手への賛辞も忘れない。
「今日は新人のようなフレッシュな気持ちだった。3勝して重賞も勝てて夢みたい。でもこれから毎日が勉強だし、いつも上を目指して勝ち続けていきたい」と勉強中の日本語を交えながら懸命に話すM・デムーロには、これから日本に腰を据えて戦っていく覚悟がみなぎっている。
祝賀ムードに沸くバックヤードでは「一番勝たせてはいけない相手だったのに…」とレース後に唇をかんで悔しがる日本人ジョッキーの姿も見られた。騎乗馬を奪われる危機感を持った彼らがレース中に包囲網を張るシーンも想像に難くない。
しかし、それ以上の勢いで有力馬のオファーが彼らに舞い込むことは、JRA外国人騎手デビュー初日の重賞勝利でより現実的なものになっただろう。
1着 ダイワマッジョーレ Mデムーロ
2着 ミッキーアイル 浜中俊
3着 ローブディサージュ 池添謙一
ツイッターの声
コパノリチャード。直線までの運びは完璧やったよ。強い時は強い、脆い時は脆い、気性のせいか極端な馬。これも個性なんやろけど、人気しとる時はちょっと怖いタイプやね。馬場の他にも色んな要素があって、この阪急杯は次の結果に直結しない気がする。
— アンカツ(安藤勝己) (@andokatsumi)2015年3月2日 3:21:07