春のマイラーNO.1を決める安田記念(5日、東京、GI、芝1600メートル)に向けてGI4連勝中のモーリス(美浦・堀宣行厩舎、牡5)が2日、東京競馬場で追い切りを行った。香港遠征から帰国して1カ月だけに軽めの内容だったが、シャープな伸びを披露。好調時と変わらない力強さもあり、陣営の感触は上々。連覇を狙える状態に仕上がった。枠順は3日に確定。馬券は4日から発売される。
澄み切った青空の下、東京競馬場にチャンピオンホースの蹄音だけが響き渡った。昨年の年度代表馬モーリスが迫力満点の走りを披露。まるで連覇へ向けて死角なしを印象づけるかのようだ。
角馬場で体をほぐした後、落ち着いた様子で芝コースに入り、残り5ハロンでペースアップ。全身を使ったダイナミックなフォームで残り3ハロンからさらに加速し、最後まで馬なりで37秒1-11秒7をマーク。本番でも独り舞台だと言わんばかりに、馬場の真ん中を豪快に駆け抜けた。
「直線で鋭く伸ばす感じで、予定通り。もう1週あれば一番いい状態にできたが、能力を出せる状態にはなった」。渡邉助手は仕上がりにひと安心の様子だ。数字で表すなら「8~9割」と話すように最高のデキではないまでも、脚さばきには好調時の力強さがあり、不安を感じさせない。
香港のチャンピオンズマイルから中4週。着地検査を受けた東京競馬場で疲れを取りつつ調整。「初めての環境でストレスがかかったし、馬の様子を見ることに最も気を使った」と細心の注意を払いながらケアを行い、体調の回復に努めた。
5月27日に帰国後の初時計をマーク。その時点ではまだ「重い感じがあった」と振り返るが、「先週しっかりと負荷をかけて、状態は上向いている。先生(この日の追い切りを見た堀調教師)も『良化を感じている』と話していた」と上昇ムードを強調した。
昨年から7連勝中で、GIは4戦全勝。安田記念以来5カ月半ぶりだったマイルCSで春秋マイルGI制覇を達成し、そこから中2週で香港マイルも制した。どんな条件でも力を発揮し、並外れたパフォーマンスを見せてきたスーパーホース。力を出せる態勢なら、あとは底力に期待できる。
コンビを組むT・ベリー騎手は初騎乗だが、チャンピオンズマイルでリワーディングヒーロー(9着)に騎乗してモーリスの強さを実感。「レースの週に調教も見ていたが、素晴らしい馬だと思った。日本の年度代表馬に騎乗できることに感謝している」と意気込む。
母メジロフランシスは5月5日、モーリスの全妹にあたる産駒を出産した直後に、15歳で急死。安田記念が行われる5日は初めての月命日にあたるだけに、天国の母に勝利を届けたい。
GI4連勝の起点となった安田記念。世界に名をとどろかせる無敵のマイル王が、また新たな歴史を作る。 (藤沢三毅)
★GI5連勝ならタイ記録
モーリスは今回勝てばGIだけで5連勝となる。間にGI以外のレースを挟まずに5連勝となれば、エスポワールシチーが持つ歴代最多連勝記録(2009年かしわ記念、南部杯、JCダート、10年フェブラリーS、かしわ記念)に並ぶ。GI出走機会の連勝記録はテイエムオペラオー、ロードカナロアが持つ6連勝で、5連勝ならナリタブライアン、タイキシャトルと並んで歴代3位となる。世界記録では、米国の名牝ゼニヤッタがGI出走機会13連勝を達成している。
サンスポ追い切りCheck 2016安田記念 栗東
サンスポ追い切りCheck 2016安田記念 美浦
TM追い切り診断 2016安田記念 栗東
安田記念のプロ予想は激アツなんだよね。
競馬好きなら-競馬コンシェルジュ