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サトノアレスは午後0時45分に決戦の地へ到着。「馬運車の中でもおとなしかったですね。カイバ食いが良く元気な馬で、難しいところがない」と松本助手。
ベゴニア賞は抜群の瞬発力で2連勝。「抜け出す時の脚は目を見張るものがありました。阪神マイルも合うと思うので期待しています」と力強い。藤沢和厩舎は先週、ソウルスターリングで阪神JFを制覇。2週連続のG1勝利なるか。
サトノアレスは午後0時45分に決戦の地へ到着。「馬運車の中でもおとなしかったですね。カイバ食いが良く元気な馬で、難しいところがない」と松本助手。
ベゴニア賞は抜群の瞬発力で2連勝。「抜け出す時の脚は目を見張るものがありました。阪神マイルも合うと思うので期待しています」と力強い。藤沢和厩舎は先週、ソウルスターリングで阪神JFを制覇。2週連続のG1勝利なるか。
レジェンドトレーナーが仕上げた天才少女だ。「第68回阪神ジュベナイルフィリーズ」の追い切りが7日に美浦、栗東トレセンで行われ、デビュー2連勝中のソウルスターリングが軽快な走りを披露した。現役最多のJRA1332勝を挙げた藤沢和雄調教師(65)が送り出す飛びっ切りの素質馬。父母のG1タイトル合わせて16を数える良血が2歳女王に輝くか。
トップトレーナーの心も揺さぶるフットワーク。ソウルスターリングが馬なりのまま坂路の急勾配を駆け上がってくる。雄大で軽快、柔軟さまで兼ね備えた四肢の運び。青鹿毛は磨き上げられた琉球漆器のような黒い光沢を放ちながら、極上のフットワークを伸ばした。最後まで馬なりで4F55秒1~1F12秒4。時計は平凡だが、藤沢和師の慧眼(けいがん)は動きの非凡さを捉えていた。
「気持ちの入った、いい動きだな。もともとシンコウラブリイ(93年マイルCS)みたいに気が良くて、スピードがある。完成度はスティンガー(98年阪神JF)よりも上かな」と、厩舎にG1タイトルをもたらした名牝を引き合いに出す藤沢和師。「こういう馬に速い時計はいらない。放っておいても自分で走って、いい体つきになっている。持って生まれた才能なんだね」と続けた。
名馬には厩舎も騎手も血統さえも関係ない。持って生まれた才能が全てを超越しているから名馬なんだ…とはG1・22勝を挙げたトレーナーの持論。ソウルスターリングの美浦トレセン入厩時、藤沢和師はその姿に触れて思わずのけぞった。「ケタ違いかも…」。英G1・10戦全勝の父フランケルと仏米G1・6勝の母スタセリタから生まれた筋金入りの欧州血統。「母の父もモンズーンなのに欧州血統の重厚さがない。凄く素軽い。パッと見ただけで走ると思わせた」
栴檀(せんだん)は双葉より芳しという。牡馬相手に札幌・新馬、東京・アイビーSをあっさり連勝。「二の脚が速いよね。前にとりつく脚も速い。レースも上手。遅い流れにもうまく対応していた」と振り返る同師。「でも、一番いいのはフットワークだな。東京の直線の坂をあんな脚色で上がってくる馬はめったにいない」。双葉から芳しく香り立つ才能は本物。アイビーS後には来春の牡馬クラシック(皐月賞、ダービー)にも登録した。
「昔(改修前)と違って阪神のマイルはタフで、マイラーには少しつらいコース。2000メートルでも全く問題ない馬だけど、このコースなら距離短縮にも戸惑うことはないはず。広いコース向きだとルメールも言っていた」。厩舎も騎手も血統さえも超越しているからこそ名馬…。その名の通りのソウルスターリング(心揺さぶる)極上のフットワークで最初のG1に王手をかけた。
師走の砂の王者決定戦「第17回チャンピオンズカップ」の枠順が1日、確定した。木曜追いでは昨年の2着馬ノンコノユメが新コンビのムーアを背に粘り強く併入。6月帝王賞(2着)後の去勢手術で性格も従順になり、鞍上も「楽しそうに走っていた」と絶好の感触をつかんだ。昨年7月のジャパンダートダービー(大井)に続くG1・2勝目、JRA・G1初制覇の期待が膨らむ。同レースは3日から前売りされる。
ノンコノユメらしい静に徹した最終追いだった。新コンビのムーアを背に雨をたっぷり含んだWコースへ。道中はしっかり制御を利かせ、エクストレミティー(5歳1000万)を2馬身追走。直線は内に入り、5F69秒7~1F13秒4(強め)。手応えはパートナーの方が余力十分だったが、手綱をしごく鞍上に応えて併入まで持ち込んだ。
ムーアは「今日は(時計的に)誰が乗ってもできる調教しかしていないけどね。馬が楽しそうに走っていたので満足だ」とクールな第一声。見守った加藤征師は「離れ過ぎない程度について行き、馬がその気持ちになった時に併せてほしい…と指示。調教では手応えを感じさせるような馬ではないけど、馬が隣にいてもいつになくいい感じで走っていた」と目を細めた。
3歳の交流G1ジャパンダートダービーで早々とG1制覇。一見するとダート界の王道を歩んできた優等生だが、裏では人間が手を焼くほど“やんちゃ”だった。鞍を置く時や周囲に馬がいると、イレ込んで立ち上がったり、人に突然飛びかかってくる。今年6月帝王賞(2着)ではついにエスカレート。指揮官は「隣りの枠に馬が入ったら、今までにないぐらいに立ち上がって」と2週間後に去勢手術に踏み切った。効果はテキ面。今では「あまりにおとなし過ぎて、別の馬になっています」と指揮官が驚くほど、素直になった。
去勢後、初のレースとなったJBCクラシック(4着)は当日輸送が響いて15キロ減。それでも底力は示した。加藤征師は「レース分析に優れたジョッキーで十分把握してもらっているはず。(1)他馬に近づき過ぎない(2)外めをのびのび走らせてほしい…の2点は言うつもり」と、16年ワールドベストジョッキーに選ばれた巧腕に託した。短期免許によるラストウイークとなる鞍上はVTRで特徴は掌握済み。「昨年のチャンピオンズCや今年のフェブラリーS(共に2着)でもよく走っている。JRAの広いコースなら楽しみ」と期待を込めた上に「僕の最終週?馬が満足できる結果を獲れればいいさ」と仕事人の顔で静かに結んだ。メンバー屈指の鬼脚の持ち主。世界の巧腕で意のままに従順に導かれれば、JRA・G1初制覇は当確かもしれない。
【チャンピオンズカップ(日曜=4日、中京ダート1800メートル)注目馬1日最終追い切り:栗東】ラニは今春ドバイでUAEダービーを制すると、その足で渡米しクラシック3冠にオールチャレンジ。アウォーディーの半弟という血統背景だけでなく、そのタフネスがファンを魅了してやまない個性派だ。
前走のみやこSでは13着と大敗を喫したが「ああいう競馬も、ある意味ではラニらしいんですよね」とは松永幹調教師。「日程はキツくなったものの、帰国後に2走できたことは良かったように思います。この中間は坂路にも入れて、目標としていたGIへ向けて体調は上向いていますね」
トレーナーの言葉を裏付けるように、この日はダート(Eコース)で6ハロン72・5―12・2秒の猛爆時計を叩き出してみせた。
「とにかく実戦でも真面目に走ってくれさえすれば」――。反撃の態勢は整っている。
今年の東京競馬の掉尾(とうび)を飾るジャパンカップの追い切りが24日、美浦トレセンと東京競馬場で行われた。美浦ではルージュバックがWコースで4ハロンから追われて好気配。秋3戦目でも攻めの姿勢を貫き、GI初制覇への意欲を感じさせた。また、外国馬3頭も雪が降る中で強めの追い切りを消化。近年にない積極的な調整内容が目を引いた。同日午後に枠順も決まり、決戦ムードが高まっている。
降りしきる雪も、ルージュバックの熱気を冷ますことはなかった。最終追い切りの併せ馬で軽快な走り。ジャパンCで強豪に立ち向かう猛烈なデモを披露した。
降り出した雪が勢いを増していく午前8時すぎ。ルージュバックがダノンバウンド(500万下)に先導されてWコースへ。気温2度と冷え込んだが、気持ち良さそうに走り出す。4コーナーで内に入り、直線でも鞍上は手綱を持ったまま。スーッと併走馬を追い抜いて2馬身差をつけるフィニッシュだった。
「攻めすぎず、それでいていつもより強くと思って調教した。使われているぶん、鋭さがあったね。これまでは強めに乗るとカイ食いに影響したけど、それが解消して調整しやすくなった。フィジカルの強さを下支えするメンタルが安定してきたね」
大竹調教師が意図を説明した強気の調教は、時計に表れている。4ハロンからの調教は最近のパターンだが、ゴール前に仕掛けた天皇賞・秋当時の51秒3と遜色ない51秒7。ラストまで馬なりでの1ハロン12秒8は、重い馬場状態を考えれば優秀だ。
午後の枠順抽選で引き当てたのは〔2〕枠(4)番。これまで好走は外枠が多いが、「内でも外でも気にしていない。ジョッキーを信頼するだけ」と、戸崎騎手に一任した。
前走の天皇賞・秋は、直線で内に押し込められて力を出し切れず7着。思い描いた結果は得られなかったが、秋3戦目で渾身のリベンジを狙う。
「距離は正直わからないけど、力を出し切れば届くと思う。当日は雨の予報で、馬場も距離もいい材料はないかもしれないけど、前走でできなかったスムーズな競馬さえできれば」
デビュー時から天才と騒がれながら、いまだ届いていないGIのタイトル。今度こそ…という陣営の思いが、ルージュバックを世界の頂点へと後押しするはずだ。 (柴田章利)