ジャパンCを4馬身差で圧勝したエピファネイア(栗東・角居勝彦厩舎、牡4歳)は、新たに川田将雅騎手(29)=栗東・フリー=とのコンビで有馬記念(28日、中山、GI、芝2500メートル)に向かうことになった。同馬が所属するキャロットクラブのホームページで5日、発表されている。
ジャパンCでは、クリストフ・スミヨン騎手(ワールドスーパージョッキーズシリーズで来日)とピンポイントでコンビを組んで復活を遂げたが、主戦・福永祐一騎手は引き続きジャスタウェイ(栗東・須貝尚介厩舎、牡5歳)とコンビを組むことから、川田騎手に白羽の矢が立った。
2014年12月
チャンピオンカップ【2014年】|アンカツ予想の予想
【チャンピオンズカップ(日曜=7日、中京ダート1800メートル)注目馬4日朝の表情:栗東】コパノリッキーは厩舎周りの運動で体をほぐした。最終追い切り(3日)では後れを取る形になったが、「オーバーワークにはしたくなかったので。上がり重点のいい追い切りができました」と陣営は改めて“ノープロブレム”を強調した。
村山調教師「相手は揃っているけど、出たなりで自分の競馬をするだけ。ハナでも番手でも。出遅れたときには外を回って勝ったこともあるから」
インカンテーション|チャンピオンズカップ予想|2014年
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ターフ最高峰のジャパンカップの後はダート最強決戦。昨年までのJCダートからチャンピオンズカップへと名を変えた砂上の大一番が7日、中京競馬場(1800メートル)で行われる。1番人気が予想されるのは今年GIで4戦3勝と表街道を歩み続けてきたコパノリッキー。対して裏街道から這い上がってきたのがインカンテーションだ。果たして同世代のライバルから主役の座を奪取する可能性は!? 管理する羽月友彦調教師(44)の本音に迫った。
――今年の始動は予定していた3月のマーチSを腰の疲れで取りやめ、7月のエルムSからに
羽月:アクシデント明けの8か月ぶり。しかも小回り札幌もこの馬に向いているとは思えなかった。正直あまり期待はしていませんでした。
――結果は3着と格好をつけた
羽月:実は大野君が「エルムSに乗りに行きます」と言ってくれた時、こちらとしては自信がなかったので「やめておけば」って伝えたくらい(笑い)。でも彼は「行きます」と。調教師より騎手の方が馬の力を信じてくれていましたね。
――とはいえ賞金を加算できなかったことで、この後は新潟のオープン特別を転戦するローテに
羽月:4歳で収得賞金を半額にされたところでもありましたからね。小さいところから確実に拾っていかないといけないなと思いました。
――新潟の2戦(BSN賞→ラジオ日本賞)は別な意味で力の入るレースに
羽月:秋につなげるためには負けるわけにはいかないレースでした。ましてや得意の新潟ですからね。
――見事に2戦とも結果を出した
羽月:薄氷を踏む思いというか…。ここまでは綱渡りの連続でしたよ。新潟の連勝がなかったら、おそらくみやこSには出走できていなかったでしょうし、そのみやこSで勝ち負けしていなければ今回の出走枠に入れなかったでしょうから。
――みやこSはそれまでの好位抜け出しの競馬とは違って差しに回った。道中の位置取りを見て
羽月:正直言うと「これはないな」と思いましたね(笑い)。この馬に限らず、京都のダート1800メートルであそこから届くことはそうはありませんから。まあ行き脚がつかなかったのもありますが、ある程度ジョッキーが試したかった面もあったみたいです。外枠でもありましたし、強引に前に行くわけにもいかなかったんだと思います。
――結果的に新たなレーススタイルで違った強さを示すことになった
羽月:想像していた以上のレースぶりでしたね。レース前にジョッキーに「2着までに来ないとGIには出られないぞ」とは言っていたんですが、そういうレースでよくもまあ、ああいう乗り方を冷静にできたものだと、ジョッキーに対しても感心しました。
――チャンピオンズCは昨秋に番組が発表された時から目標にしていた
羽月:中京でやると知った時は「ラッキー」と思いましたね(笑い)。得意の左回りなのはもちろん、大きなストライドで走るこの馬にとって広いコースというのも大歓迎ですから。
――昨年のJCダートは14着に敗れた
羽月:もとより3歳で通用するレースではないと思っていましたから。大きな壁にはね返されてそこで何か得るものがあればいいなと思って挑戦させました。セコく乗らず、真っ向勝負をしてくれたのは良かったと思っていますよ。そうでなければ挑戦する意味もなかったでしょうから。
――もちろん今年は違った意味での参戦になる
羽月:体重はほとんど去年と変わりませんけど、明らかに筋肉量が増えて見た目が変わってますし、今年はただ経験を積みにいくレースではないと思っています。
――同世代で1番人気が予想されるコパノリッキーとは昨年3月の伏竜Sで対戦、4着に敗れた
羽月:伏竜Sの時は力の差をかなり感じましたが、ウチの馬もあれから力をつけてますからね。今、ダート界はあの馬が一枚看板になっていますし、なんとか追いつけ追い越せという気持ちでいきたいです。
――ズバリ勝算は
羽月:馬にとっても人にとっても大きなチャンスなのは間違いないし、距離、コース形態から交流戦も含め、数あるダートGIの中で一番期待できる舞台設定なのは確か。ホント勝ちたいレースですね。
チャンピオンズカップを当てるぞ|2014年
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7日にGIチャンピオンズカップが中京競馬場で行われる。昨年まで阪神ダート1800メートルで開催されていたジャパンカップダートが、中京のダート1800メートルを舞台に移し、新たな下半期のダート王決定戦に生まれ変わった。
中心は、充実一途のコパノリッキー(栗東・村山明厩舎、牡4歳)だ。しんがり人気で臨んだ2月のフェブラリーSでGI初制覇を飾ると、5月のかしわ記念でGI連覇。6月の帝王賞では初の2000メートルで2着に粘った。前走のJBCクラシックは5カ月ぶりの実戦だったが、コースレコードで逃げ切り、2着クリソライトに3馬身差をつける完勝。休み明けを叩いた上積みは大きく、1ハロンの距離短縮もプラスとなる。中京は初出走だが、左回りで4勝を挙げており、初コースでも問題ない。ここを勝てば最優秀ダート馬のタイトルは確定的。ダート王の座を不動のものとすべく、今年4つ目のGI制覇に挑む。
インカンテーション(栗東・羽月友彦厩舎、牡4歳)も勢いに乗っている。3歳時にレパードSを制した素質馬が、4歳の夏から秋にかけて進化した。BSN賞、ラジオ日本賞と新潟でオープン特別を連勝し、前走のみやこSで3連勝。これまで好位からレースを進めていた馬が、前走は中団待機から差し切り勝ちを演じ、脚質に幅が広がっているのも成長の表れだ。中京で3戦2勝、3着1回とコース実績も十分。GI初挑戦となった昨年のジャパンCダートは14着と壁に阻まれたが、本格化した今年は4連勝での戴冠が狙える。
ワンダーアキュート(栗東・佐藤正雄厩舎、牡8歳)はジャパンCダートで3年連続2着(1984年のグレード制導入後、同一GIで3連続2着は最多記録)に泣いてきた。8歳を迎えても元気いっぱいで、帝王賞ではコパノリッキーを破ってGI2勝目をマーク。休み明けのJBCクラシックは3着だったが、久々を使われた効果も感じられ、悲願のJRA・GI制覇をもくろんでいる。
GI5勝馬ホッコータルマエ(栗東・西浦勝一厩舎、牡5歳)はドバイワールドカップ16着以来、7カ月ぶりで臨んだJBCクラシックで4着。いかにも久々という内容で、使えば変わりそうなレースだった。狙いどおり、この中間は状態を上げている。ジャパンCダートで2年連続3着の雪辱を果たしたいところだ。
昨年のジャパンダートダービー馬クリソライト(栗東・音無秀孝厩舎、牡4歳)も復調している。日本テレビ盃で2着に7馬身差をつけて圧勝すると、JBCクラシックでも2着を確保。ウィリアム・ビュイック騎手とのコンビも魅力で、高いポテンシャルはここでも侮れない。
一昨年のジャパンCダート馬ニホンピロアワーズ(栗東・大橋勇樹厩舎、牡7歳)はみやこSで7着に敗れたものの、4コーナーの不利が大きかった。中間の調教では絶好の動きを見せており、状態面は文句なし。巻き返しをはかる。
エルムS1着以来となるローマンレジェンド(栗東・藤原英昭厩舎、牡6歳)はここに目標を絞って乗り込み十分。なかなか順調に使えず今年ようやく2戦目だが、底力はここでも上位だけに、軽視は禁物だろう。
武蔵野Sで重賞初制覇を果たしたワイドバッハ(栗東・庄野靖志厩舎、牡5歳)は実績こそ見劣るが、決め手の鋭さではヒケを取らない。短距離路線で花開いた印象があるものの、以前はこの距離でも結果を出していた。2戦2連対と手の合う蛯名正義騎手とのコンビで、直線勝負にかける。
ほかにも3歳世代の代表格カゼノコ(栗東・野中賢二厩舎、牡3歳)、ムラがあるものの豪腕ライアン・ムーア騎手の騎乗が興味深いクリノスターオー(栗東・高橋義忠厩舎、牡4歳)、自在性があって大崩れしないナムラビクター(栗東・福島信晴厩舎、牡5歳)、武蔵野S3着で復調気配を感じさせたグレープブランデー(栗東・大久保龍志厩舎、牡6歳)など、目が離せない馬がずらりとそろった。
また、今年は米国からインペラティヴ(ジョージ・パパプロドロモー厩舎、セン4歳)が参戦してくる。重賞勝ちは今年の米GIIチャールズタウンクラシック(ダート1800メートル)のみで、GIはゴールドカップとパシフィッククラシックSで3着と実績は物足りないが、レーティング116ポンドの評価は日本馬との比較でも見劣らない。米国の名手ケント・デザーモ騎手を背に、どこまでやれるか注目される。
旧JCD(ジャパンカップダート)-2013年