【馬じぃの継続は非力なり】ハープスターとゴールドシップの凱旋門賞壮行レースは上々の結果、これにジャスタウェイを加えた日本馬トリオ、今年こそやってくれそうだと、例によって持ち上げムードが目立ちだしたが、う~ん。
競馬には触れていないが、『フランス人の不思議な頭の中』(山口昌子、角川学芸出版)という本の中に、興味をひく一章があった。
山口さんは夕刊フジ報道部を経て産経新聞パリ支局長を21年務め、昨年、仏政府から最高章のレジオン・ドヌール勲章を贈られたほどの親仏家だが、彼女でもフランス人には謎が多い。そんな国に悪口を言ってはいけない「三偉人」がいる。ジャンヌ・ダルク、ナポレオン、ドゴールで、共通しているのは「戦う救国の英雄」。もともとフランス人は、日本人が抱く文化国家のイメージとは裏腹に、きわめて好戦的な国民性だと山口さんはいう。
凱旋門はパリ市内に数カ所あるが、普通、エトワール凱旋門を指す。19世紀初頭、戦勝を記念してナポレオンが建設させたもので、所在地がシャルル・ドゴール公園と、ここで二偉人が登場する。それじゃあもう一人は? うん、前2年、最強の敵、日本馬オルフェーヴルを阻んだソレミアとトレヴの仏牝馬。あれは、21世紀のジャンヌ・ダルクだったのかも。
でも、今年のハープスターは3歳牝馬。日本のジャンヌ・ダルクかも。などと、夏の夜の妄想は続く。しかし、迎え撃つ欧州勢は例年以上にハイレベルだそうだから、壁を越えるのは容易ではない。ひたすら健闘を祈る。
で、1年前、そのハープスターが衝撃的なパフォーマンスを見せた新潟2歳Sがやってきた。GIIIだが、彼女がレースの格を引き上げたといってもいいくらい注目される2歳重賞になったが、果たして今年、後継馬はいるのかどうか。
馬じぃは、今年は牡馬とみて、新潟デビューのマイル戦をスローペースだったとはいえ、上がり3F32秒7の鬼脚で差し切ったハーツクライ産駒(17)ナヴィオンに注目している。今夏の新潟でこの馬での1勝しか勝ち鞍がないが、橋口調教師が再度起用した、的場勇人騎手に初重賞プレゼントというドラマ性も込めて。
■品川達夫(しながわ・たつお) 昭和44(1969)年、夕刊フジ創刊と同時に競馬欄を手掛け、デスク兼記者・予想家として約20年間紙面を汚す。その後、別のジャンルで新聞記者を務めながら競馬は続け、気がつけば「馬じぃ」に。
ハープスターの後継はナヴィオンなるか?|新潟2歳S予想
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